施工のポイント
セパレーターの取付
セパ穴開け
Pコン座堀りと合板のセパ穴は二段錐を使用し加工します。
Pコンの選定
モールドスターの総厚に対応したPコンを使用する必要があります。
通常のPコンを使用しますと、脱型後セパのねじ切り部分が模様面より出てしまい処理が困難になってしまいます。
また、ロングPコンは入口径が大きい為、補修穴が大きくなったり、ノロが回り込むなどの問題が発生してしまいます。
そこでこの問題を解決する為の化粧型枠専用PコンであるストレートPコンや、チューブコーンタイプⅡを使用しますと作業効率性の高い施工が可能となります。
チューブコーンタイプⅡの紹介
曲面部の施工について
Rとは?
Rとは英語で半径を意味するradius(ラディウス)の頭文字で、この数値が大きくなるほど緩やかな曲面に、小さくなるほど急な曲面になります。
Rの種類
Rにもいろいろな種類があります。ここでは建築・土木分野でよく見られる主な曲面を紹介いたします。
a)構造物におけるコーナー部の曲面
b)円柱・角柱などの化粧柱
R対応方法
TSS標準品では、通常R=600以上であれば対応できますが、石積み模様など凹凸の大きな意匠は、型枠にフィットしない場合があります。
また、石積み模様のように縦だけではなく横の目地の入った意匠は曲げる事により歪みが発生する場合があります。
施工上のコツ
Rが小さい場合は、頭の大きな釘、スチップル状の釘を使用しますと効率的な作業ができます。
型枠への取付は両面テープを併用しますとより効率的な作業ができます。
R=1,000以下の対応
通常の状態ではR=1,000以上ですが、それ以下の場合は特殊加工を施した曲面用化粧型枠で対応する事ができます。
これはTSSのベース部分をスライスして切り取り、あらかじめ曲面加工をした発泡スチロール基材に接着し複合化させた化粧型枠です。
R=100まで対応可能ですが、この場合も凹凸が小さく(R=100の場合:10以下)、厚みが比較的均一な模様である必要があります。
施工実績例
勾配における施工について
砂防ダムや擁壁など勾配のある構造物に出会う機会も多いと思います。その際、どの程度の勾配までモールドスターは対応できるのかということが問題になると思います。モールドスターは、1:0.3~1:1(3分~1割)の勾配での施工事例はありますが、模様の種類や施工条件によって、目地の下部にエアーが溜まったり、ブリージング※による水の溜まり跡等により仕上がりが大きく左右されます。その為、試験施工にてその現場に合った施工条件等を検討して頂く必要があります。
※コンクリートを打設した後、材料が分離して練混ぜ水の一部がコンクリート上面に上昇する現象。
出隅における施工
基本編
出隅部でモールドスターを合板に取り付ける際、右の図のようにヌスミを入れる必要があります。これは、 意匠の厚みがある為モールドスター同士を90°でつなぎ合わせることが不可能だからです。 このヌスミを入れる事により意匠の連続性はここでヌスミの幅分途切れてしまう事になります。
応用編(45°カット)
ここでは、 この出隅における意匠の連続性を持たせて欲しいというご要望にお応えする為の加工方法をご説明いたします。 意匠が途切れてしまうのは先ほども述べましたようにヌスミを入れる為です。 よって、 このヌスミを使わないようにモールドスターを加工すればこの問題は解決できます。 ここでは、 シビル-129を例に加工手順を説明いたします。
通常のモールドスターを用意します。
(ここではシビル-129を使用)
直角に貼り合わせるように、それぞれ45°にカットします。
カットしたものを直角に貼り合わせます。
入隅における施工
基本的な考え方は出隅と同じですが、注意して頂かなければいけない重要なポイントが一つあります。
右の図をご覧ください。この図は一般的な入隅部の簡単な図面です。注意して頂かなければならない個所というのは、ヌスミの幅の取り方です。
ヌスミの幅t2が常にモールドスターの模様厚t1より広くなければいけません(t2>t1)。
ここでなぜかを説明いたします。
入隅では、コンクリート打設後、型枠を①、②の順に脱型しなくてはいけなく、①を脱型した後②を脱型させるには模様厚分のスペース(ヌスミ)がなければ脱型出来なくなってしまうからです。
この点が、出隅との大きな違いであり、注意して頂かなければなりません。また、出隅でも紹介いたしました45°カットで突き合せる方法ですが、もちろん入隅でも同じ方法で可能です。
次に、入隅の施工事例を紹介いたします。
入隅の施工事例
~模様厚40 である為、t2>40
~45°カット突き合せの例